ここ数カ月近く、
私の枕元には効能あらたかな「眠りの特効薬」がおいてあります。
これを手にすると間違いなく数分の内に、
深く快い眠りに入ることができるというスグレものです。
その正体は、
「最先端物理学12の物語」という副題のついた宇宙論を紹介した一冊の本。
もう何度も読み返しているので、
理解できているかどうかはともかく、
本の内容自体はすっかり判っているつもりなのですが、
ベッドに入ると無意識的に手にしたくなる。
ちょうど敬虔なクリスチャンが聖書を手にするように、
ほとんど寝る前の習慣と化しています。
そして、読み始めるとすぐに眠りに入ってしまうのですが、
また次の日もそのまた次の日も毎晩のように手にしたくなるのですから、
我ながら不思議です。
それでも半年以上も続ければ、
さすがに何回かは読破したつもりになります。
そのタイトル;
逆流する時間、五次元物語、鏡の宇宙、究極の多宇宙、星間宇宙の生命・・・・・・
何度読んでも飽きません。
ところで、私の科学論好きは、
子供の頃父からプレゼントされた「ガモフ全集」を、
愛読したことが端緒のような気がします。
オパーリンの「生命の起源」という本に触発されたようにも記憶しています。
建築の道を志さなかったら、
生化学者になりたいと夢見たこともありました。
10代の後半の頃、
エンタルピーやエントロピーという訳のわからない単語だらけの
「Thermo Dynamics」という熱力学の原書と、
格闘したことが影響しているのかもしれません。
暑すぎた夏が過ぎ、ようやく虫の声が心地よく聞こえてくる今日この頃。
今の時期が一年で一番好きな季節です。