ゴルフのラウンドでは、
流れをつかむことが大切です。
何であれ勝負事やゲームには流れがつきもののようです。
その昔、女子プロの岡本綾子が全盛の頃、
三好カントリー倶楽部での東海クラシックにおいて、
各ホールのラウンドをついて回ったことがありました。
全盛時の岡本綾子プロでも、
ショットをミスしてボギーをたたいたことがありましたが、
さすがと思わせられたのはその後のラウンドの仕方でした。
早くも次のホールで、
はた目にはチャンスかと思われるような、
絶好の場所からの第2打でしたが、
あわてず騒がず決してピンを狙わず安全運転に徹していました。
その次のホールでも、
チャンスの状況かと思われたにもかかわらず、
また安全にパーを取りにいってしっかりパーをとりました。
数ホールそんなラウンドが続いたため、
ついていた私はつまらないゴルフをするなあ、
他のプロにつこうかなと思った矢先、
やおらバーデイラッシュがきたのでした。
ゴルフが落ち着くまでじっと我慢して、
まさに「流れが来るまで耐える」
ゴルフを実践していたというわけです。
勝ちパターンを知っているとも言えるし、
自分を知り尽くして自信満々、
自分のペースさえ守っていれば負けないという、
自信にあふれた堂々たるラウンドでした。
さすがトッププロと感心したものです。
その頃まだ駈け出しのゴルファーだった私は、
岡本綾子プロでもショットのミスをするんだ、
そしてミスした時はすぐさま取り返しにいこうとしないで、
じっと流れがくるまで我慢するんだということが、
非常に新鮮な感動でした。
浅はかにもトッププロならその実力からして、
いつでもバーデイをねらってくるものと、
はなから思い込んでいたからです。
そういう私は恥ずかしながら、
今でもミスしたらすぐ取り返しに行こうと、
気持ちが前のめりになりがちで、
これが自滅のパターンです。
いくつになっても何度でも同じ過ちを犯し続けています。
ところで岡本綾子プロのことを思い出したのには理由がありました。
今朝の新聞でかの石川遼くんが何と、
「流れがきたという手応えを感じるまで耐える」
をテーマにラウンドしたと書かれていたからです。
高校生にしてこの境地、さすがです。
それに引き替え未だその奥義を理解しようとせず、
いや理解はしていても実践できずにいる自分が、
何とも情けなくもいじらしいかぎりです。