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悠々として急げ!快適生活の達人日記
by kaitekikukann
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スパイラルタワーズ
オープン間近のスパイラルタワーズを見学させていただきました。
設計者及び施工者そしてこの建物の建設に関わった全ての人達にただ脱帽です。

それにしてもこの建築は、
すべての意匠設計者に勇気を与えてくれる建物に違いありません。

コア部分の構造をしっかり固めさえすれば、
ファサードデザインは意匠設計者の意のまま、
自由自在にできるということを実証してくれたのです。
そしてこの手法を実現させた影の主役は
「自立するカーテンウオール」の技術とアイデアでしょう。

まさに意匠設計者にとって夢のような手法が確立されたのです。
我が国の建築技術のレヴェルの高さはここまできたのです。

あと意匠設計者を悩ます主たる要因は「経済性」だけになりました。
経済性さえ考慮しなければ、
何でも造れてしまうような気がしてきました。

近代建築の主流はコルビジェ以来の機能主義、「形態は機能に従う」
すなわちデザイン偏重(ここでいうデザインとは装飾的様式美のことです)ではなく、
構造や機能が建物のデザインを決めるという機能美」がもてはやされてきました。

意匠設計者からすれば、
構造を隠さずデザイン要素にしてしまうということでしょうか。
あるいは構造的要請をデザインに生かすということかもしれません。
そこで必然的に建築設計の上で、
意匠設計者と構造設計者の緊密なコラボレーションが不可欠になったのです。

これまでも曲面や曲線を多用した奇抜なフォルムの建築はいろいろありましたが、
そのすべては構造設計者と意匠設計者との格闘の結果、
敢えて言えば意匠と構造の融合の成果というべきもの。

建築家は「こんな形にしたいけれど構造はもつかなあ」と、
構造設計者に相談するのが常だったのです。

ところが情況は一変しました。
ここにきて構造と意匠または建物の形態は切り離して考えても良くなったようなのです。
機能主義からポストモダンそして「ネオファサード主義」へ

これはまさにコロンブスの卵です。

きっとこのプロジェクトに関わった意匠設計者と構造設計者は、
長い熾烈な格闘に疲れはて、
お互い勝手に別々に設計できる道を探そうや、
という境地にまでたどり着いたちょうどその時、
突如視界が開けたようなものでしょうか。

いずれにしてもこの建築の構造と意匠の関係は、
これまでの常識をくつがえす画期的なものです。
これまでの特異なフォルムの建築とはまったく似て非なる建築なのです。

スケルトンインフィルならぬ
「構造を固めて意匠-衣装をまとわせる」建築の誕生です。

またひとつ名古屋駅前に誇るべきランドマークができました。
by kaitekikukann | 2008-02-09 23:04 | 悠々として急げ
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